時を哂う

あのひとの街から
風がなにかを伝えにきた
なんだろう、と知ろうとすると
にこりと笑ったみたいに
わたしに話しかけてきたけど

なのにわたしは、いつもいつも
時の流れの所為にして、失ってしまう

あのひとの街から
風がなにかを運んできた
なんだろう、と触ろうとすると
ふわりと指の間を抜けて
わたしに報せてはくれないの

だけどわたしは、いつかきっと
時がふたりを繋いでくれると、信じてるから

時は止まることがないと知ったいま、
どうしようもないとわかったいま、
わたしは本当にどうすることも出来ずに
自分自身の無力さを哂う


2005年6月9日