0716

揺れる光、蔽う闇
月は雲隠れ 淡い光が 彼を照らす

夏の夜の幻は
儚くも美しく 闇に煌めく
目も合わせられない 眩しい彼に
わたしは未来を夢みた
月映えする 彼の姿
恋の小唄が ゆるりと流る

確かにあの日の彼を見た
確かにあの日に彼は居た

繋げなかった手が空を切る
呼べなかった名前は届かない
あの日の彼は、戻らない

彼の横顔が消えたとき
儚い夢は散り散りになった
覚めてしまった 終わってしまった

わたしはこれから 現実に生きる
遠い彼を想って


2005年9月14日