羨望ロマン
"見えない"って泣き叫べば 許されると思ってた
陽の当たる場所を歩くのが怖かった
"お前はどうしたいんだ?"
耳を塞ぐ 聞こえないって言い聞かせる
どうして 聞きたくないのに
耳について離れない わたしを掻き立てる
"できない"って泣き叫べば 守られると思ってた
草花に揺れる儚い露華に怯えてた
"お前の目に映ってるんだろう?"
目を瞑る 見えないって言い聞かせる
どうして 見たくなんかないのに
指の間から薄目で覗く 花明かりを探す
煌いているものに 輝いているものに
ただ憧れていただけだったんだ
2006年2月8日