さいごの夕景

あの日のそらは
あまりにもきれいすぎて
ぼくは眩しくて
おもわず手をかざした

それはまるで
こえを絞って泣き叫ぶ 蝉のような
ゆめを繋いで咲き誇る 桜のような
そんな切実で すこしかなしい うつくしさだった

あの日のそらは
あまりにもきれいすぎて
ぼくは嬉しくて
おもわず目をふさいだ

ああ それはまるで
せかいの終りを覚ったかのような
わたしの最期を覚ったかのような
そんな切迫した むねがくるしい うつくしさだった

あの日のそらは
目一杯かがやいていて
すべてを照らしていて
おもわずそうなりたいと祈った

ぼくはかなしくて
おもわずこえをあげてないた


2006年9月4日