あのときぼくはたしかに
深い藍色にとけてゆけると
本気でしんじていたんだ

きっと闇になれると
本気でおもっていたんだ

わらってもいいよ
わらってもいい
ぼくは影がこわいから
やさしく隠してくれる闇を
あいしていたんだ

いまでもぼくはたしかに
深い藍色をあいしている

だけどいまぼくは
きみにとけてゆきたいとは思わないよ

きみが其処でいまでも
だれかをやさしく隠しているなら
それでいいんだ

いまでもぼくはたしかに
深い藍色をあいしている

それとおなじくらい
淡い光彩をあいしている


「藍色の嘘」070102