汚濁した泪を
もう1度 清冽に還してくれるような
すべてをとかす朝日はもう昇らない

ぐちゃぐちゃになった
偽物のまつげなんて
無残に流されてゆくだけだ

鬱血した心に
もう1度 光を巡らせてくれるような
すべてをすくう茜雲はもう流れない

ぐちゃぐちゃになった
一時のえがおなんて
無残に壊されてゆくだけだ

もうぐちゃぐちゃになった


「穢濁」070208