殺気立った空気のなかで
ぼくひとりだけが
おいてきぼりで

あんまり上手にわらえない
そんなぼくのてのひらは
きみとつながっていたいよ

もしもきみが
うそだらけでも
触ってくれたなら
いいんだ

そう言い切れた
秋の日はもう過去なんだよね

殺伐とした空気のなかで
ぼくひとりだけが
危機感なくて

あんまり上手にいきれない
こんなぼくをあのひとは
大嫌いだといったんだ

だけどきみが
すこしだけでも
笑ってくれたから
よかった

そう呟いた
秋の日はもう戻らないね


「名残」070217