腫れた目の奥のほうで
不透明の紫が
透き通ってゆく

呼ぶ声は力なく
響かないままで
ああ 常におちてゆく
ふわふわと 羽に成って

澄んだ目の裏側で
半透明の紫が
沁み渡ってゆく

繰り返す哀しみは
とめどない定め
ああ 今日もとんでゆく
ゆらゆらと 灰に成って


「紫羽」070501