きみさえ居ればなにも要らないと
あの瞬間に、本気でそう思った

愛なんて名前でごまかした依存も
恋なんて名前で丸め込んだ束縛も
手を繋いでいれば それだけで
うつくしくなれる気がしたんだ

現実を見るほかなかったあの日は
寄りかかっていた幻を
幻だと認めてしまった

枯れない桜の散る瞬間を見たから
信じる事に、また臆病になった


「幻桜」070507