時間はすこしゆるやかになった
飲み込むことばの数は減って
夏の太陽は緑を透かした

そばにあるしあわせは
図らずも寄り添ってくれた

あたしはすこし素直になった
温かいカフェオレは湯気を立てて
悴む空気は頬を紅潮させた

ただあなたが
傍に居てくれるだけで
色々の鎖がほどけていった

だけど
そんな魔法を
解いたのはあたし

傷付けて失って
手放したのはあたし


「ほどけかけた鎖」071203