瓶の底にある宝石が欲しくて
取りたくて、取れなくて
瓶を壊して手に入れたんだ

だけどほんとうは
その瓶の方が大切で
宝石を掌に乗せてやっと気付いた
その軽さに

瓶は邪魔でしかなかったのに
いざ粉々になってみると
後悔しか押し寄せてこない
こんな事になるなら
宝石なんて要らなかった、なんて
嘆いたってもう遅くて
掌には疎ましい程の輝き

あたしは生きている


「瓶の中の宝石」071207