人の痛みにはいつまでも鈍感で
何食わぬ顔で傷を抉っている
さよならだけはいつも率直で
感情を記憶に変えて立ち去る

哀しみを唄うのなんて簡単だろう
君は絶望なんてしていない
だってまだ掌の体温を知っている

自分の痛みには何よりも敏感で
被害者面で不幸自慢なんて
ばかばかしくて呆れるくらい
記憶は思い出になって褪せる

憎しみを殺すのなんて簡単だろう
君は失望なんてしていない
だってまだあのひとを愛している


「歓ビヲ唄エ」080224