かなしいことは
あんなにすきだとおもっていたひとに
こんなにも嫌悪感をいだいていることで

けっきょく
あのきもちをつらぬけなかったのは
わかさとか、あおさとか
しょせんそんなことばで
まとめられてしまうような
あさはかなまぼろしだったからだと
まだすこし、しんじたくない

きみのえがおはぼくのひかりだった
きみがぼくをひつようとすることが
ぼくにとってひつようだった

きみにとって不要なぼくは
そんざいするいみさえないと
ほんきでおもっていたのに

いまはもうそれも
すべては過去のおはなし

きおくなんて
褪せていけばいいんだ


「褪色」080226