要するに、あたしは彼を
すきになり過ぎただけだった

盲目的で稚拙な愛し方で
彼を幸せにできている気になってた

もう言葉を紡ぐのさえ覚束ない
記憶を引き出すのさえ憚られる
それでも巡る毎日に彼は居ないから
愛想笑いは宙を舞うだけ

彼の前でなら
本気で笑って泣けた

最後に泣いたのはいつだっけ
ちゃんと泣けたのはいつだっけ


「思い出せない」080425