泣きじゃくるあたしを抱きしめて
なにがあったかなんて聞かないで
泣き止むまでずっと
髪を撫でていてくれた
彼のことを今更思い出す

いまになって
あのやさしさがあたしにとって
どれだけ必要だったのか気付いた

君はどうしたのが得意で
ひたすらに泣くあたしに
いつも理由を求める

なにも言わずに泣かせてくれる
そんな彼はもう居ない
抱きしめて髪を撫でてくれる
そんな彼はもう居ない
涙でぐちゃぐちゃになった顔に
笑ってキスをしてくれる
そんな彼はもう

そんな彼はもう


「追憶」080924