ASIAN KUNG-FU GENERATION

あたしがアジカンと出会ったのは、たぶん崩壊アンプリファーがメジャーで出て、少しした頃。あたしの部屋はゆー姉と共同で、カーテンで仕切っているので、お互いの部屋は見えないけど、音は筒抜けなのです。つまりゆー姉が聴いてる音楽はあたしも聴いているし、あたしが聴いてる音楽はゆー姉にも聴こえてるって事。あの日隣の部屋から流れてきた音に、あたしは心を奪われた気がした。君じゃないなら、意味はないのさ、だって。そんな事言われてみたいなあ(笑) あ、この歌すきだ。"情熱の羅針盤は君の胸にはありますか?"、これ唄ってるひとたち、どんなひとたちだろう。なんかとっても、素敵かも。そんな出会いでした。

たまに姉の部屋から流れてくるのを聴いているだけで、自分からMDを探したりCDを買ったり借りたりってゆうのは、その頃はしていませんでした。聴こえてくると、あ、あのひとたちだあ!って(笑) なぜかゆー姉に対して引っ込み思案だったあたしは、「これ唄ってるの誰?」とか「これ何てゆう曲?」とか聞けずにいて、自分から調べることもしなくて、「なんとなくすきっぽい」ぐらいでした。

アジアンカンフージェネレーションという名前を覚えて、リリース情報にも過敏になったのは、たぶん2004年に入ってからじゃないかなあと思います。サイレンはレンタルショップで借りた覚えがあるので。ループ&ループからはCDを買うようになって、本格的にはまっていきました。いままで聞いた事のないような個性的で鮮烈に記憶に残るような歌詞。なんだか切なくて、激しくて強いようでいて、儚いような、脆いような、不思議な印象を受けました。ただ、素敵だと思いました。ポップなメロディなのに、楽しいだけじゃない。ゴッチ(当時は後藤さんとかボーカルの人とか呼んでた)の強い切ない声がたまらなく胸に響いて、本当に大すきになりました。

崩壊アンプリファーと君繋ファイブエムはゆー姉がMDに録っていたけど、そのMDがなくなったのがキッカケで両方のCDを買いました。もうこの頃は「アジカンがいないと生きていけない!」とか言ってたと思います(笑) そして君の街までが出る何週間か前から、MOTHER MUSIC RECORDS ~Over Drive~を聴き始めました。(初めて聴いたとき「来週のOver Driveで新曲"君の街まで"を初OAします!」って言っていたのを覚えてる) 毎週欠かさず録音をするようになったのは2005年に入ってからの事。アジカンって、作り出す音楽が素敵なだけじゃなくて、トークもおもしろいじゃん!って思うようになって、どうしてもっと早くから聴かなかったんだろうって思いました。ラジオって、あんまり使う機会がなかったから。実際、未だにAMとFMの違いがわかりません(笑)

ソルファ発売日にあたしは熱を出していて、母に「今日アジカンのアルバムの発売日なの、買ってくれたら絶対治る!!」なんて根拠のない自信を持ってねだったところ、買いに行ってくれたのですが、1番近くのCD屋さんではもう売り切れ。2軒目で最後の1枚! 母は「次から予約して買ってよね!」なんて怒りながらも、きっちり初回限定版でソルファを買ってくれました。あたしは朦朧とする意識の中ソルファを再生。Re:Re:あたりで寝たような気がします(笑) 風邪が治ったあと改めて聴いて、海岸通りに号泣。夜の向こうに共感。じわじわRe:Re:の良さがわかってきて、改めてループ&ループがすきだと思いました。

ゴッチは日記なんかでいつも結局ライブが1番だという事を言っているけど、あたしはそれを聞くたび読むたび辛くなる。本当はライブに飛んで行きたいけど、あたしは体力がとても持たないと思います。病気の、所為で。だけどきっといつか生のアジカンを感じられる日が来ると信じて、音源を握り締めています。いつかきっと、会いに行くから。聴きに、感じに、行くから。それまでテレビやDVDで我慢するって決めました。

歌詞、ゴッチの声、メロディ、それぞれの音、メンバーひとりひとり、ゴッチの考え方、音楽に対する想い、ファンに対する真摯な姿勢、探究心。アジカンの魅力なんて言い尽せない。だけど純粋に、音に惹かれた。あの日隣の部屋から流れてきた音に、興奮して、胸を掴まれた。何よりアジカンの作り出す音がすきです。これからもきっとずっと、アジカンの作り出す"音"が、すきです。


2005年8月9日